月欠族

中国語新語

月欠族(yuèqiàn zú

日本語訳

毎月の支出が収入を超える人(※解説参照)

単語

解説と補足

2月に“年光族”“日光族”のような、短期間に一定期間の収入を使い切ってしまう“~光族”を紹介してきたが、その「始祖」こと“月光族”の上位互換バージョンとも言えるのが、この“月欠族”である。

“欠”は日本語でも「欠損」と言ったりするので、そのニュアンスは伝わると思う。そう、毎月の支出が収入を超える人たちのことだ。

1ヶ月ならともかく、毎月それでは生計が成り立たないので、理論的にはあり得ない話なのだが、その赤字部分を補う手段が存在するのだ。いくつかのパターンがあるのだが、最も典型的なものは、いわゆる「すねかじり」である。すねかじりというと、「ニート」こと“啃老族”が連想されるが、“月欠族”は一応仕事をしているにも関わらず、収入が支出に追いつかない人のことを指す場合が多いようだ。

これ以外には、例えば借金で赤字分をやりくりするという人もいる。日本では消費者金融になるのだろうが、中国にはいわゆるサラ金は存在しないので、“卡奴”のようにクレジットカードのキャッシングを利用するケースが多い。

このように書いてくると、当人の無駄遣いが原因のように感じられるかもしれないが、現実には贅沢をしているわけではなく、単に収入が少ないというケースも少なからずあるようだ。いわゆるワーキング・プアである。余剰金が残り僅かとなる月の後半は極貧生活で乗り切るという人も多い。特に北京などの大都市では、バブルのため賃貸料が高騰しており、生活そのものが成り立たないような収入しか得られない若者も少なくない。“鼠族”と呼ばれる、地下室生活者が生まれるのはこのためである。

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Time:
2014-04-04 Last modified: 2014-04-04