中国駐在員になりたい

Q:私は中国社会に興味があり大学に入ってから中国語を勉強しております。今大学二年生で(専門は社会学)六月に中国語検定二級を受験します。中国語と英語の二カ国語で目指すべきレベルというページを参考にすると、今のところ順調と考えており、将来的に中国に駐在して中国の社会を実際に見て中国人と仕事をしてみたいと考えています。中国を重視している企業に就職を希望する際中国語検定準一級とtoeic900点の他にどのような事が必要でしょうか。

A:将来的には中国駐在員を希望されているとのことですが、資格としてはこれといった切り札はありません。それよりも企業研究を行った方が良いと思います。

現在中国で事業を行っている企業が将来にわたってその事業を続ける保証はありませんし、一方で現在未進出でも今後進出する企業もあるでしょう。故に、既出の企業ならばその中国事業の将来性を、未出ならばその業界の中国での可能性などを調べてみるといいかもしれません。

現在は、人件費高騰のため、コストダウンのために中国に進出し、中国で生産して日本に輸出しているような企業は撤退傾向にありますが、中国市場を顧客としている企業の中には、中国業務を拡大しているところも少なくありません。マスメディアとしては撤退の方がニュースになるので、どうしても撤退話の方が大きく扱われてしまいますが、現状はマチマチといったところです。また、中国未進出企業でも、拡大を続ける中国消費市場を狙って進出の機会を探っている企業も少なからず存在しているのではないでしょうか。

これとは別に、現在の傾向として、駐在員から現地採用や中国人社員への転換を図る企業が増えています。駐在員という存在がなくなることはありませんが、全体における比率は今後も低下していくものと思われます。

中国での事業に力を入れている企業ならば、就職活動の時点で十分な中国語力があれば、少なくとも中国に関する部門へ配属される可能性は高くなるものと思われますが、確実に駐在員になることができるという企業はほとんど存在しないと思います。もちろん、私は就職業界の人間ではないので断言はできませんが。

中国で働いてみたいというならば、一番確実なのは現地採用です。日本での就業経験があれば、中国で日系企業に就職するのは難しいことではありません。ただし、正社員ではありませんから身分は不安定で、高いポストも望めません。もちろん、収入も格段に低くなります。現地採用から正社員に登用するところもありますが、比率は高くありません。

帰国後、有名企業に再転職するのは難しいでしょうから、その後は中小企業となると思います。もちろん、中小企業が悪いという訳ではありませんが、新卒時にステータスの高い企業へ就職した場合、その落差を受け入れる覚悟ができなければ、現地採用は止めておいた方がいいでしょう。

最後に、資格という点から補足します。余裕があればHSKも受けておくといいかもしれません。就職対策としては中検だけで十分ですが、在学中にふと中国へ留学したくなった時、HSKを取得していれば、何かと便利になると思います。中検はあくまで日本ローカルの検定試験ですから。

また、中検は3級以降かなり幅が広がってしまいますが、HSKでその空間を埋めることができます。この点からもHSKはおすすめできます。

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