余额宝

中国語新語

余额宝(yúé bǎo

日本語訳

余額宝(金融商品名)(※解説参照)

単語

解説と補足

今中国で一番「熱い」金融商品が“余额宝”である。中国でシェアNo.1の第三者決済サービス“支付宝”が2013年に始めた金融サービスだ。

第三者決済サービスなるものが日本ではあまり馴染みがないので、まずはここから簡単に解説する。中国は社会的相互信頼性に乏しく、当初これがインターネット販売のネックとなった。消費者がネットショップを疑うあまり、ネットでの商品購入に足踏みしたのだ。

この問題を解決したのが“支付宝”である、中国最大のショッピングモール“淘宝网”を運営するアリババによるサービスで、消費者の購入代金を一時的に預かり、消費者が商品を確認した上で、購入代金を販売者側に振り込むというシステムである。

“余额宝”は“支付宝”にチャージしたお金に利子がつくというものだ。1元から購入でき、いつでも出金可、そのままネット決済にも使える簡便さ。そして何よりもその金利の高さが魅力なのだ。利率は固定ではないのだが、基本的には5%を超える水準で推移している。銀行の普通預金が0.35%であることを考えると、その収益性は圧倒的で、大人気となっている。

もっとも、今“余额宝”が「熱い」のは、その人気に限った話ではない。金融業界から猛烈なバッシングを受けているのだ。

“余额宝”の高収益の秘密は、集めた資金を高利で銀行に貸し出しているところにある。銀行からすれば、直接預金を引き受ければ0.35%(普通預金の場合)の利息で済むところが、“余额宝”経由では、コストがその数十倍になるのだ。政策的に抑えられた低金利で一般庶民を食い物にしてきた銀行業界が、今度は“余额宝”に食い物にされるという因果に報われている。そして何よりも銀行業界の既得権益構造が白日の下に晒される訳で、彼らが焦るのも無理はないだろう。

このあたりの構造的な話はKINBRICKS NOWで分かり易く解説されているので、興味がある人は参照してほしい。

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Time:
2014-03-28 Last modified: 2014-03-28