酒烈士

中国語新語

酒烈士(jiǔ lièshì

日本語訳

飲酒のため殉職した公務員(※解説参照)

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解説と補足

日本語では、「烈士」とは「信念を貫きとおす男子」(デジタル大辞泉)のことであり、「革命や維新などにおいて戦い功績を残し、犠牲となった人物またはその人物の称号」(ウィキペディア)で、歴史的な事件に関わった人たちについていうことが多いが、中国ではこのような歴史的人物の他に、法規に定められた基準により、現在進行形で毎年多くの“烈士”が生まれている。

そう、中国では「殉職者」のことを“烈士”と呼ぶのだ。一応タテマエとしては共産革命が継続中であり、公務に殉じることは革命に殉じることである、と解釈すれば、日本語での理解と同じであると言えなくもない。

では、“酒烈士”とは何か。文字通り「酒」が原因で殉職した公務員である。ではなぜ酒が原因になるのか。要は、接待の席で酒を飲み過ぎて急性アルコール中毒死した、という話だ。

接待といえど公務である、というのが政府の見解なのだが、庶民目線では明らかに不自然であるため、世論の風当たりは強い。出入りの業者による接待ならば広義の汚職と解釈できるし、中国では普遍的に存在する上級部門への接待ならば公費による飲酒となるわけで、どっちに転んでも居心地が悪いのだ。

また、中国の“烈士”は日本にはない「特典」が多いところもまた反感を呼びやすい。日本では2階級特進で遺族に対する補償が引き上げられる程度だが、中国では、例えば遺族の子女が大学受験(日本のセンター試験のようなもの)で加点されたり、遺族が“烈士”の所属していた部門で雇用されたりするなどするのだ。

政府権限を存分に発揮した、身内にやさしいシステムなのだが、体制外の人にとっては、自分たちの利益が見える形で侵害されるため、非常に評判が悪い。中国で官民対立が尖鋭化しやすいのは、このような背景も存在するのだ。

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Time:
2014-03-21 Last modified: 2015-01-24