官奢

中国語新語

官奢(guān shē

日本語訳

役人の贅沢(※解説参照)

解説と補足

世界第二の高級品消費大国となった中国。国外でブランド品を漁る姿が顰蹙を集めている、というニュースを度々目にするが、実際に数字の上でも中国人のブランド志向が反映されているようだ。

GDP世界第二位と言っても、人口が多い分平均値ではまだ低位に甘んじているのだが、貧富格差が大きいため、高級品消費力は急上昇している。もちろん、手元にカネができると良い物が欲しくなるのは人の性である。品位云々との批判もあるが、その時期を過ぎれば自ずと落ち着くものであろう。

この現象の中で、中国らしい特徴が現れているのが“官奢”である。“官”は「官僚」、要は公務員、“奢“も文字通り「ぜいたく」の意味で、役人が高級品消費の主力の一つになっているのだ。

日本で汚職と言えば主に議員の話だが、中国には日本の議員に相当するような存在は実質的には存在しない。加えて中国の社会制度は政府の権限が強く、そしてその権力を握るのが公務員であるため、どうしても公務員の汚職が発生しやすいのだ。

そんな訳で、役人が高級品消費の主力となる。ブランドで身を包み、高級車に乗り、高級腕時計を腕に、高級タバコを咥え、高級酒を口に……という感じで。

もっとも、これが災いして転落した役人もいる。会議で高級タバコを吸っていたり、事故現場で指揮を取るお偉い様が高級腕時計をはめていたことがネットで指摘され、それがきっかけで汚職調査を受け有罪とされるケースが近年度々発生している。

このため、最近は役人たちも人前ではブランド品を身につけないようになってきているようだ。特に現政権は汚職対策に力を入れており、役人たちは戦戦兢兢としている。ちなみに衣類や時計は我慢出来てもタバコや酒は我慢できない、という役人たちも少なくないようで、わざわざ箱や容器を入れ替えて高級品を嗜む不逞の輩も存在するようだ。

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Time:
2014-03-14 Last modified: 2015-01-24