孩奴

中国語新語

孩奴(hái nú

日本語訳

子どもの教育費負担に苦しむ人(※解説参照)

単語

解説と補足

今やおなじみの“…奴”型新語。“房奴”“卡奴”“证奴”などに続き、ついに「子供」が奴隷化の要因となってしまったようだ。

高度経済成長期にある中国だが、養育費や教育費など子供関連の費用もうなぎ登りの状態にある。一人っ子政策が始まって約30年、前世代に比べ経済的に豊かな生活を送ってきた一人っ子世代が親になる時期を迎えているが、その一人っ子父母が、同じく一人っ子である自分の子供に、より良い教育を与えるために、巨額の教育投資を行う傾向が指摘されている。

そのような、子供の教育に熱を上げる教育パパ・ママが“孩奴”である。子供の教育のために自身の経済力を超えた投資を行い、自身の消費を極限にまで切り詰めるその姿を、「子供の奴隷」と読んだのだ。

一人っ子社会である中国では、教育には金に糸目をつけない傾向が強く、それに乗っかって法外な価格のサービスを提供する企業も少なくない。たとえこのようなサービスを利用しないにしても、戸籍所在地以外の土地で幼稚園や小中高に進学する場合は寄付金のようなものを支払わないと入学できないケースが多く、安く済ませようにも安く済まないケースも多い。

また、教育費ばかりではなく、乳製品のメラニン混入事件に見られる国産品不安から、安全性を追求して高額な輸入品を購入する父母も多い。加えて病院で風邪一つ治すのに日本の感覚で数万円かかってしまうように医療費も高騰している。とにかく、カネがかかるのだ。

このため、経済的な理由から子供を諦めて、自分の人生を追求することを選択する若い夫婦も増えているそうだ。もっとも、自身も一人っ子のため、子供を作らないと家系が途絶えてしまうこともあり、両親の要望に応えるために子供を作る、という人も多い。単に経済的な理由で子供を作らないという人は、現状ではまだ少数派だと思うのだが。

新語まとめ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Time:
2010-03-01 Last modified: 2013-06-16