礼奴
解説と補足
中国の祝儀や贈答の相場は、収入比で比較した場合、全般的に日本のそれよりも高く、且つその頻度も高い。上司の誕生日にプレゼントを贈ったり、「教師の日」に子どもの担任教師に付け届けをするような習慣は日本人には理解し難いものだ。
結婚適齢期に突入すると、同級生の結婚ラッシュが始まり、建国記念日の長期休暇は同級生の結婚式のハシゴとなるケースも少なくない。もちろん祝儀もバカにならない。月収が吹き飛んでしまう素敵な長期休暇となる。
比較的集中する結婚関連イベントとは対照的に毎年ダラダラと続くのが春節の帰省である。これに苦しむ人を“节奴”と呼ぶことは以前にも紹介したが、春節の代表的な出費項目であるお年玉の相場感も日本とはかなり異なる。
日本では子どもの年齢に従ってお年玉の金額も増えるのが暗黙のルールとなっているが、中国は日本のような「年齢序列制」ではなく、一律である。中には「可愛いから」、という理由で、幼い方が収益力が高いケースすら存在する。
また、相場自体押しなべて日本より高い。私的な例で恐縮だが、昨年の秋に産まれ、生後4ヶ月で生涯初のお年玉をゲットした我が娘は、おじさん(妻の弟)とおばさん(妻の妹)からそれぞれ500元ずつ頂いている。この金額は、この二人の月収比で8%~10%程度となる。日本の収入に置き換えて計算すれば、中国のお年玉の相場感をお感じただくことができると思う。
ちなみに私はお年玉として娘に金を買っておいた。毎年購入して、成人を迎えたら金の延べ板を渡すつもりだ。