刚学族

中国語新語

刚学族(gāngxué zú

日本語訳

教育のため優良校の学区に不動産を購入する人(※解説参照)

単語

孟子

解説と補足

“孟母三迁”という故事がある。孟子は幼くして父を亡くし、母子家庭で育った。母子ははじめ郊外にある墓場のそばに住んでいたのだが、葬儀のラッパの真似をする我が子を目にした孟子の母は、学業への影響を恐れて街の中に転居した。ところが、新居は屠殺場の隣にあり、幼い頃から聡明だった孟子は、すぐに屠殺の技術を身につけてしまった。これを見た孟子の母はここに住んではいけない悟り、学校の近くへ引っ越した。ここから、孟子の母がわが子の教育のために環境のよいところを求めて3回も転居したことを“孟母三迁”というようになった。

“刚学族”はまさに現代版の“孟母”であろう。教育のために優良校の学区内の不動産を購入して、子どもを優良校へ入れるのだ。日本人的にはわざわざ購入しなくても賃貸を借りて引っ越せば良いのでは、と思われるかもしれないが、中国の学区制では賃貸居住者は後回しにされるのが常である。優良校ともなると、不動産を所有していても、当該学区の優良校に入学できる保証はないのだが、それでも学区外から試験で入学するのに比べれば可能性は非常に高いので、現代の“孟母”たちは“学区房”に殺到するのだ。

結果として、教育熱心な中国の父母たちに支えられた“学区房”には驚くほどの高値がついている。優良校は比較的古い地区に集中しているので、“学区房”は古いボロアパートばかりなのだが、それがとんでもない価格になっているのだ。

そんな高額ボロアパートだが、売りに出されると即売してしまう。金を持っていても買えるとは限らないのが“学区房”なのだ。“学区房”は回転が早いのも特徴である。もともと子ども教育のためなので、卒業したら売ってしまうのだ。

ここ10年ほどは不動産バブルもあって、転売益もすごい額になっている。これを狙った投機筋も参入しており、これが“学区房”バブルに拍車をかけている。

結婚のため不動産を購入してローン地獄に陥る“婚奴”子どもができてより大きな物件を求める“刚改族”と合わせて、不動産バブルを支える“刚需族”を構成する重要な一員となっているようだ。

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Time:
2013-08-30