盐王爷

中国語新語

盐王爷(yánwángyé

日本語訳

※解説参照

単語

解説と補足

日本の原発事故は世界でも大きく報じられている。中国も例外にもれず、特集を組んで伝えている日本の震災ニュースの大部分を占めるに至っている。

放射能漏れが伝えられると、世界各地でさまざまなデマが飛び交い、ヨウ素剤が売り切れるなどの現象が世界各地で起きているようだが、中国では人民が「まさか」と思わせるものに殺到した。それが「塩」である。

彼らのロジックはこうだ。

  1. ヨードが添加されたヨード塩には放射能予防効果がある。
  2. 海水が汚染され、安全な塩が取れなくなる。

これが口コミで瞬く間に広がり、中国各地で塩の買い占め現象が発生。一部では塩の価格が高騰し、定価の10倍の値がついたケースもあったようだ。おまけに塩絡みの株価まで急騰、製塩会社はストップ高、漬物会社の株までつられて急騰している。

この現象はその日のトップニュースとなり、政府がマスメディアを通して火消しに動き、製塩会社に備蓄を放出させるなど、大騒ぎになった。

ちなみに、後日塩に放射能予防効果がないこと、塩の供給に問題がないことを知った人たちが、今度は返品を求めてスーパーなどに殺到しているという笑うに笑えない現象も起きている。

なお、“盐王爷”という表現は、“阎王爷”(閻魔大王)の諧音(発音が同じか近いこと)で、昨年から流行している食品の高騰を揶揄した表現の流れを汲んでいる。

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