屌丝
解説と補足
モテない男性の一例。イメージ的には、背が低く、醜く、貧しく、臆病な男性。
言葉の由来は中国のサッカー選手である李毅に関する掲示板で、李毅が自分も名選手であるアンリのようにボールをキープできると豪語したことから、アンリの中国のニックネーム「アンリ大帝」にちなんで“大帝”と呼ばれるようになった。ここから李毅のファンが“大帝的粉丝”こと“D丝”と呼ばれるようになり(“大帝”のピンインは“dàdì”)、これをからかって「D」に“屌”を当てはめて“屌丝”と言ったのが始まりである。
そして、“屌丝”の語感が良かったのか、これが一気に流行し、いつの間にか、冒頭で紹介したような、いわゆるイケていない男、負け組の男性について言うようになった。
どうしてこのような語義を持つようになったのかは不明。推測にすぎないが、“屌”は男性器の俗称で、“丝”が細いものを指すので、このあたりから男らしくない、臆病者、というようなニュアンスを持つようになった可能性もある。
“屌”は日本語に置き換えてもわかるようにかなり汚い言葉なので、“屌”を同音の“吊”に置き換えて“吊丝”とすることもある。“屌丝”は非常に聞こえの悪い表現だが、ネットでは自嘲して使うことも多く、今のところ罵り言葉という感じはない。
本来は男性についていう言葉だったが、“女吊丝”というように、女性についても形容するようになっている。もっとも、女性についていう場合は、“吊”を好んで使うようだが。これに相対して男性であることを明示した“男吊丝”という表現もあり、“屌丝”の中性化が進んでいるようだ。