榨菜指数

中国語新語

榨菜指数(zhàcài zhǐshù

日本語訳

ザーサイ指数(※解説参照)

単語

解説と補足

“榨菜”はいわゆる「ザーサイ」、四川省特産の漬物の一種である。漬物の代名詞的存在で、廉価であるため、広く中国の一般庶民に愛されている。

「ザーサイ指数」は季節物ではなく、また人口あたりの消費量は非常に安定しているこのザーサイの特徴を利用して人口動態を推計するものだ。中国の労働力の主力は農民工と呼ばれる出稼ぎ農民だが、ザーサイの消費量がこの動態を忠実に反映しているらしい。

中国は固定的な戸籍制度を実施しており、自由な戸籍の移動はできない。流動人口の登記制度は存在するが、登記しない者も多く、通常の統計では出稼ぎ農民の動態を的確に把握するのが難しいのだ。そこで登場したのが「ザーサイ指数」である。登記はしなくても生きていけるが、メシを食わずにはいられないだろう、という発想から生まれたものだ。

これまで沿岸部に集中していた出稼ぎ農民が、ふるさとに近い内陸部へと移転しており、沿岸部地域で深刻な労働力不足を招いているが、「ザーサイ指数」も見事にその動向を反映しており、沿岸部地域の消費量が激減している。

非常に面白い現象なのだが、その一方で「ザーサイ指数」に中国の悲哀を感じる中国人も多い。廉価なザーサイを箸でつつきながらマントウをかじる農民工の姿が、使い捨てにされる彼らの境遇に重なるのだろう。

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Time:
2013-11-08 Last modified: 2013-11-08