限时代

中国語新語

限时代(xiàn shídài

日本語訳

制限時代(※解説参照)

単語

解説と補足

本年の中国を象徴する漢字として選ばれたのは民間主導の“微”であったが、対照的に政府主導で進んだ“限”も印象的であった。例えば、不動産バブル対策として打ち出された“限购”(購入制限)“限贷”(ローン制限)“限价”(不動産価格制限)は中国経済に大きな影響を及ぼしている。

“限购”は不動産購入物件数の制限で、地域にもよるが、既に2件所有している場合は購入禁止となり、また制限数内であっても、購入に際して当該都市の戸籍か、もしくは当該都市にて一定期間以上就職していることを購入資格要件とする。“限贷”はローン規制で、2件目は利率の上昇、3件以上の場合は融資禁止となる。“限价”はこれまた強制的なもので、販売価格に上限を設けるというものである。

まさに強大な行政権に任せた措置で、日本のバブル期の総量規制が可愛く見えるぐらいだ。これで価格が落ちない訳はない。

実施当初は不動産ディベロッパーもこれまでに溜め込んだキャッシュの上に胡座をかいて様子見を決め込んでいたが、ついに限界に達したようで、一部物件で「激安セール」を始めている。これは日本のメディアで中国不動産バブル崩壊として伝えられているのでご存じの方も多いと思う。

不動産関連以外にも、メディア系の規制も目立った一年であった。これは日本では考えられないような話なのだが、バラエティ番組規制なる“限娱令”なるものが発令されている。

社会的道徳に悪影響を与えるとして見合い番組や視聴者参加型の歌手オーディション番組などが規制された。見合い番組は露骨な拝金主義が横行し、社会的な問題になったため。オーディション番組は、視聴者の投票という「民主主義的」なシステムが問題視されたようだ。

お上が都合が悪いと考えたものは、強大な行政権に物を言わせて何から何まで制限してしまうのは如何にも中国らしい。“上有政策,下有对策”(上に政策あれば下に対策あり)というのは、このような中国の社会システムの下に生まれた民の知恵なのだろう。

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Time:
2011-12-26 Last modified: 2011-12-26