闯黄灯
解説と補足
中国では2013年より黄色信号無視の取締を始めている。以前は日本と同様に黄色信号の走行を黙認していたが、新法規の施行を機に、黄色信号を取り締まる方向へと動いている。
黄色信号無視が注目を集めるようになったのは、2010年に浙江省のあるドライバーが黄色信号無視の罰金通知を受け取ったことに始まる。黄色信号の走行は事実上黙認されているのに罰金を課せられたことに不満をいだいたこのドライバーは訴訟を起こしたが、2012年に二審(中国は二審制)で敗訴が確定。これをきっかけとして黄色信号の取締をめぐって大議論が巻き起こった。
結果的に当局は交通法規を厳しく運用する方向へ舵を切ったのだが、社会への影響が大きいことを考慮してか、今のところは罰金を課すことはせず、注意を与えるのみの運用とすることも合わせて通達している。
中国の地を踏んだことがある者ならば誰しも感じることだが、中国のドライバーはマナーが非常に悪い。加えて歩行者も好き勝手に横断するため、路上は混乱を極めている。マナーの欠如に起因する交通渋滞も頻発しており、経済的な損失も大きい。当局は交通法規を厳しく運用することで、交通渋滞の緩和を期待しているようだが、長年の交通習慣を転換するのは容易ではない。当面の間は罰金を課さないというグレーな運用をしているのは、強行すれば逆に事故が多発するであろうことを考慮してのことであろう。
ちなみに黄色信号の運用は国によりマチマチなようで、赤信号と同一視するところもあれば、日本のように単なるシグナルとみなしているところもあるようだ。