キヤノンワードタンクシリーズ歴代中国語コンテンツ一覧表

キヤノンワードタンクシリーズの歴代中国語モデル収録の中国語コンテンツを一覧表にしてみました。

歴代機種中国語コンテンツ一覧表(中国語電子辞書研究所)

ざっと見比べてみると、まずは2006年の90シリーズと2008年のV903で、収録コンテンツ数が急増しているのが目につきます。特にV903は会話系が充実していますね。ところが、その後継モデルは会話系を重視していないようで、最新モデルのZシリーズでは旅行会話一つのみ。削りに削られています。

同じくV903が業界の先陣を切って収録した方言コンテンツも結局はこのモデルのみ。その後は音沙汰ありません。ライバルのカシオが翌年のモデルで全く同じコンテンツを収録し、その後も保留し続けているのと対照的です。こうやって振り返ってみると、V903はかなり特異なモデルでした。

二本立てでリリースしているのは過去10年6シリーズ中3シリーズ。2006年の90シリーズは中上級者向けコンテンツを削った初級者向けのV90と、発音機能を削った中上級者向けG90という、他社モデルを含めても歴史的に例を見ない特異なものでした。発音機能なんかいらない上級者にとっては発音機能がない分安くなるので助かりましたが、中間層の多くは選択に迷ったようです。これを反省してか、翌モデルでは一本化してスッキリしましたが、その次のモデルではまた二分化しているのを見ると、マーケティング的にはやはり価格を抑えるのも重要なんだな、と感じます。

直近の2009年・2012年モデルは二分化していますが、2006年モデルのような特異な区分けではなく、標準モデルと上位モデル、というオーソドックスな区分けになってます。2009年モデルではまだ初級者向けの標準モデルV823と、プラスして中上級者向けコンテンツも収録した上位モデルV923というユーザレベル分け傾向がありましたが、2012年のZシリーズではより純粋に標準と上位という傾向が強くなっています。

コンテンツ的には、初級者にとっても有用な2012年モデルの売りである講談社と小学館の中日日中辞典ダブル収録は上位モデルであるZ900のみ。一方上級者向けコンテンツとしてこれまで上位モデルの象徴的存在であった愛知大学の中日大辞典が標準モデルのZ800にも収録されるなど、中国語電子辞書全体の底上げが進んでいるようです。

ここ数年のワードタンク収録コンテンツの傾向としては、より重要度の高い辞典辞書系に資源が集中し、おまけっぽいものは切り捨てが進んでいるようです。頭数稼ぎの無駄なコンテンツが少ないのがワードタンクの良いところ。このあたりはカシオさんにも見習っていただきたいものです。