まるで『蟹工船』(笑)「共産主義国」中国タクシー運ちゃんたちの悲哀

最近中国各地でタクシー運転手によるストライキが広がっています。

中国語で俗に“钱”と呼ばれる管理費……というか「上納」金と言った方がいいのかもしれませんが……が槍玉に挙がってます。これがかなり大きいんですね。これに自己負担の「ガソリン」代を含めると、収入は売り上げの6分の1ほど。この比率が諸外国に比べ高いのかどうかは知りませんが、結果的に言えば一ヶ月休みなし、一日13時間労働で月収2000元、日本円換算で3万円ほど、お世辞にも高給取りとは言えない給料水準ですから、運ちゃんたちの不満が蓄積しています。

白タクも多いですしね。おまけに地方によっては白タクの背後に悪代官が控えているところなんかもあります。正規のタクシーから金を巻き上げる一方で、白タクで稼いでいるのですから正規のタクシードライバーが怒るのも無理はないでしょう。

今は昔の話ですが、かつてタクシーの運ちゃんは高給取りだったんですよ。改革開放初期、一般庶民の給料全体が低い中で、いち早く市場化されたタクシーは大学教授をはるかに超える収入を誇っていましたから。

それから30年……今や社会の底辺に位置する一労働者に過ぎません。物価は上がり、生活保護や年金を含む別業界の給料は上昇する一方、その中でいくら働いても収入が増えない状態が続いていたところに景気が反転し売り上げが減少、その一方で国際原油価格が暴落しているのにガソリン価格は一向に下がらない、高額の上納金も据え置き……働いても働いても豊かにならない、使われるだけ使われて最後はゴミ捨て場行き……まるで今流行のw『蟹工船』の世界のよう……キレるのも無理はないですね。

名目上は国家の主人であるはずの労働者たちが、待遇改善を求めて政府当局と戦う……。スト権がないので逮捕の危機にさらされながらの戦いです。

資本主義国の労働者より立場の弱い「共産主義国」中国の労働者たち……マルクスに見せてあげたいものです。