客山を成してサービス最悪たる「世界一」の銀行「中国工商銀行」 in北京

所用があって、時価総額世界一(現時点ではどうか知りませんが、去年のバブル期は世界一でした)の中国工商銀行に行って参りました。

本当は行きたくないんですけどね、この銀行。いつ行っても人の山。客多すぎ。待ち人数が3ケタなんですよ。

で、なぜ客が多いのか、という話になるのですが、別に利率は良い、とかサービスが良い、という訳ではありません。利率はどこも同じ、サービスは最悪と言ってよいでしょう。

ではなぜ客が多いのか……早い話、中国工商銀行でないとできない業務が多いからです(※北京では。他地域は不明)。

もともと銀行は……というか、まぁすべての企業は国営だったのですが、かつては中国工商銀行だったら商業と都市住民の生活関連、中国農業銀行だったら農業関連、中国建設銀行だったら建設関連……というように、預金の他に行う業務はそれぞれの銀行の母体によって限定されていました。

うち工商銀行は都市部における中国工商関連、つまるところ都市労働者の部分に関して独占状態にあったので、業務が非常に多岐にわたっています。そんな訳で何をするにも中国工商銀行。みな「我慢強く」並ぶ他ないのです。

近年は民営の商業銀行でも行うことができる業務が増えてますのでまだマシになってきてるんですが、中国工商銀行は相変わらず人多すぎ。

年金の支給業務も工商銀行が請け負っているので、年金支給日なんてすごい(そう)ですよ。「そう」なのは、私はそんな日には絶対に行かないから。考えただけでもゾッとしますね。

おまけに国有銀行ですから。サービス意識はゼロに近いです。まぁ民間の商業銀行も生まれ、多少なれども競争が始まっているので、昔に比べればこれでもマシになってきてるんですけど。

最近は番号制になったので、人が多い場合は番号だけ取っておいてまた出直すこともできますし、座席エリアも大きくなっているので、座って待つこともできますが、昔はひたすら「並ぶ」しかありませんでしたら、本当に悲惨でした。

おまけに列に「割り込む」輩も多く(行員が割り込みを咎めない)、また割り込み組が増えると列が崩壊してしまい、体力勝負になるという弱肉強食世界……なんて話は北京では昔話になってしまいましたけどね。他の地方ではどうなのかな。

ちなみに四大国有銀行の中では、中国銀行は比較的マシです。もともと国際業務が中心で、客が少なかったこともあるようですが。中国農業銀行もダメダメらしいけど、利用したことがないので不明。中国建設銀行はどうなのかな?

いずれにせよ、もし中国で口座を開くならば、例えば「招商银行」のような、実力のある私営銀行がよろしいかと。サービスの格が違います。

国営はダメですね。銀行にせよ製造業にせよ、究極的には公務員みたいなものですから。

中国経済の希望は私営企業にあり……と個人的に思ってます。ただ、その政治体制の都合上、各業界で国営企業が幅を利かしちゃってます。これが中国のネックでもあるのですが、かといってこれはそう簡単には動かせない訳で……

どの国にもあるんですよ。構造問題って。