黑领
解説と補足
コネがモノを言う中国。人気公的部門や有力国営企業に入るには強力なコネと厚い札束が必要になる。このようにコネとカネで就職した人を“黑领”と呼ぶ。
「黒」はかつて中国社会の花形であった実力重視の外資系“白领”(ホワイトカラー)の対極に位置する存在として名付けられたものだ。また、高級役人の公用車や重役の社用車に多い黒塗りの高級車や非正規の巨額収入を揶揄したものでもある。
改革開放初期、政府部門や国営企業は貧しかったが、今や資本を蓄積した政府部門が主導する国家資本主義のため、国営有力企業は巨大な資産を築くに至った。また、強大な行政権限を恣意的に運用できるため、経済活動と密接な関係を持つ政府部門には企業からの「付け届け」が殺到する。
このような国営企業や政府部門では実力よりもコネがモノを言うので、「世襲化」が静かに進行していると言われる。まさに「黒」の世界である。