一級病院デビュー in北京
元々身体は丈夫な方ではないのですが、年がら年中風邪を引くわけではなく、近年は年に一回ぐらいのペースです。これが多いのかどうかは知りませんが。
で、今年に入ってから始めての風邪は夏風邪となりました。もっとも、当初は深刻なことになるとは思ってもみなかったのですが……
7月12日
風邪を引く。原因は不明。夏だから夏「かぜ」を疑う。もっとも、胃腸は至って健康なので、ちょっと微妙。一瞬新種の「ウイルス」か……もしやウイルステロかw……とは思わなかったが、もしかしたらここ数日天候が急激に暑くなったり涼しくなったりしたせいかもしれない。
始めは毎度の如く「蛇口」から水がしたたり落ちるかのような「鼻水」に始まり、「咳」と熱、その後は高濃度色付鼻水と痰に悩まされている。キタナイ話でごめん。
とりあえず峠は越えたが、まだ咳と鼻水が続いている。あと、だるい。だるいのは暑さも影響しているかもしれないが。
暑さといえば昨日ぐらいからまた急激に暑くなってきたような気がする。特に今日は日差しがきつかった。しばらく長雨で低温状態が続いていたが、いよいよ本格的な北京の夏が始まるのかもしれない。
北京の夏……と言えば聞こえは良いが、季節的には最悪の季節だ。特に7月の下旬から8月の初頭にかけて高温多湿無風の「サウナ日」が続く。オリンピックが通常より半月ほど日程がずれ込んでいるのは、この最悪の時期を避けるために中国側が要求したためだ。本当は9月にしたかったみたいだが、そこまでずらすのは無理だったようだ。
そんなわけで、これから本当に暑~い時期を迎える。となると冷やし中華みたいな冷たい物を食する機会が増えるわけだが、今度は食あたりが心配だ。外で食べる場合はなるべく火の通っているものを選ぶようにしてはいるのだが……
7月18日
直りかけてたはずの風邪がまたぶり返ししたかどうかはわからんが、また熱にうなされてしまった。今度は熱も38.7まで上がり、一日グロった。結局一日で熱は引いたが、まだ本調子ではない。咳と鼻水も相変わらず。軽くはなったが。
で、そんな中、目に止まったのがこのニュース。
奇病流行のうわさ広まる セーリング会場の青島市(産経ニュース)
まぁ、出所から言って怪しさ満点のニュースだが、当の中国政府が隠蔽体質ということもあり、気になってしまう。呼吸器系の伝染病が流行る季節ではないから伝染病はそれほど心配していないのだが、北京ということで、時節柄やはりテロの方が心配だ。特に生物兵器がw
テロがらみの話になるが、安全保障上の観点から、西安に遷都するか、首都機能を一部移転するなんていう話も出ているみたいだ。真偽の程は?だが。
北京五輪早く終わらないかな。
また熱でてきた……orz
7月23日
風邪が長引いている。熱が出ては退いて……を一週間以上繰り返し、ついにはのどが腫れてきたので、たまらず病院に駆け込んだ。
元々アレルギー性鼻炎持ちで、鼻の粘膜が弱いため、体調を崩すときはまず鼻から始まるのだが、今回もそのセオリーどおり鼻水に始まり、それが原因でのどがやられ、そして熱を出す、という黄金のパターンだった。
ただ、今回は熱が退いて終了、にならず、直りかけていたところでまた熱が上がり、それが退いたと思ったらまた熱が出る、という展開で、特に最後はのどが腫れてきたので、病院に駆け込んだ。
のどの腫れに敏感なのは、数年前扁桃腺を腫らしてえらい目に遭った記憶が鮮明に残っているからだ。扁桃腺が化膿してしまい、それは悲惨な事態になっていた。入院寸前だった。
そんな経験があったので、また扁桃腺が腫れては……と慌てたのだった。
で、久しぶりの病院である。手っ取り早く集合住宅の敷地内にある病院に行ってきた。ここ2年ほどは健康してたので、本当に久しぶりだった。最近中国政府が普及に力を入れている“社区医院”なのかどうかはよくわからんが、とりあえず一番近いので。
“社区医院”とは、日本で例えるならかかりつけの町医者さん、みたいなものだ。中国の医療制度は改革開放政策によって過度に市場化され混乱、医療不信が頂点を極め、風邪のようなちょっとした病気でも、大学病院のような大病院に駆け込む患者が非常に多く、大病院が「パンク」状態になったことを受けて導入された制度である。
この病院がその「社区医院」に相当するのかどうかはわからんが、級別では一級となっていた。一級の何なのかはわからんが……って話してもほとんどの人はわからんか。
中国の病院は等級制度で格付けされていて、三級二級一級の三段階の中に加え、それぞれの級の中でまた甲乙丙の三段階に格付けされている。例えば三級甲、二級丙、一級乙とかいう風に。3×3で9段階に格付けされている訳だ。
注意しなければいけないのは、中国の病院の級付けは日本のそれとは反対で、数が大きい方がレベルが高くなるところだ。甲乙丙は甲の方が高いんだが。
病院の格付けに限らず、中国では級は数が大きい方がレベルが高くなる場合が多い。中国語を勉強されている方はご存知であろう漢語水平考試(HSK)なんかもそうだ。ただ、日本語試験は級が低い方がレベルが高かったりなど、必ずしも統一されているわけではない。
そんな訳で、三級甲が最高位、一級丙が最下位となる。個人診療所なんかは多分級外じゃないのかな。外国人向けの病院なんかも級外だと思う。いつだったか、韓国の大使館員だったから領事長だったかは忘れたが、外国人向けの高級病院で点滴を受けて死亡した話があった。中国政府はこの外国人向け高級病院は非公認の病院だったとか発表してました。そんな病院に行くお前が悪い、なんていうニュアンスで。
この病院はとある政府高官がバックについているとかなんとかいう話もあった、話がそれるのでこの話はひとまずおいておいて、わたしが駆け込んだ病院は一級病院だった、ということである。
ただ、格下の一級病院とは言えバカにはできない。内科はもとより泌尿器科や産科はおろか耳鼻咽喉科、眼科、歯科まである総合病院なのだから。
まぁ、設備はちゃちいが。扁桃腺が心配だったので耳鼻咽喉科にかかってきたが、設備は本当に最低限、といった感じだった。
それにしても、中国の病院で手間なのが「料金先払い制度」。血液検査するにも、先に料金を払わないと検査しない。その度に窓口に並んでお金を払って……というのが中国の医療事情。わたしの場合はまだ症状が軽かったので良かったが、高熱にうなされている状態だったらたまらないだろうな。
家族の病気を理由に会社を休む中国人が理解できない、という日本人もいるが、こういう理由で付き添いが必要なのだ。あまり「めくじらを立て」ないようにしてやってほしい。
で、肝心の病気の方だが、案の定扁桃腺炎ということだった。点滴を打つほどではない、ということで、吸入治療を進められたが、病気の身で毎日往復徒歩40分(※今住んでいる集合住宅はバカでかい)は辛い、ということで、薬の処方を希望した。一日経ったが、良くなってきていると思う。
週末までには完全復帰できるかと。早く良くなってくれ……
8月2日
しつこいようだが、まだ治っていない。薬が尽きてものどの腫れが治りきらず、やむなくここ数日毎日病院に通って吸入している。
こんなことはこれまでなかったので、もしかしたらこれも大気汚染の影響かwとちょっぴり思いつつ……
- 【五輪直前!北京見たまま雑観】(上)スモッグにかすむ「鳥の巣」へ観光客の群れ(産経ニュース)
ここ数日空気が悪かったが、今日はさわやかに晴れている。大気汚染対策を担当している役人たちは胸をなでおろしているところだろう。まぁ彼らにとっては今後もドキドキの毎日が続くことは間違いないだろうが。
それはさておき、前後一ヶ月近くも引きずっている計算になるので、抵抗力落ちてるなぁ、と実感している。最近運動してないからなぁ……と自省中。
回復したら運動を始めよう。