2008春節in北京 爆竹とギョーザと

新年好!あけましておめでとうございます。中国は春節、旧暦の正月を迎えています。

中国の年越しはにぎやかそのもの。街中爆竹の光と音に満ちています。わかりやすく言えば街中で一晩花火大会をやっているようなもの。別に自分で花火を買わなくても、窓からいくらでも花火を楽しむことができます。

中国の爆竹の特徴はその音にあります。日本の花火と比べ音がものすごいのです。窓越しに見る夜景は内戦を連想させます。音といい光といいまさにそのもの。

春節を迎える数日前から爆竹が鳴り始め(早っ)、大晦日の夜からいたるところで花火が上がり始めます。そしてクライマックスは午前零時。一斉に花火が打ち上がり街が花火の光で覆われます。まさに壮観そのもの。

爆竹は春節期間中鳴り響きます。大晦日はまだ新鮮味がありますが、正直なところ春節当日になるともう鬱陶しいですね。なにせ音が大きいので、好き嫌いにかかわらず耳に入ってきます。テレビの音が聞こえなくなるほどですからその音の大きさの程がわかると思います。

春節期間中は、徐々にフィードアウトするものの、何処かで必ず爆竹が鳴ってます。そしてプチクライマックスが初五日こと“破五”。“破五”の由来については割愛します。興味のある方は調べてみてください。簡単に言えば「正月からのんびりしてきたけど、そろそろ動きますか」という日です。この日は大掃除するとか親戚訪問してはいけないとかいろいろなルールがあるようですが、地域によってマチマチなので省略。

あれやこれやという伝統的な風習はかなり薄れてきていますが、爆竹とギョーザ(これは地域によります)は廃れないようで、この日はまた爆竹を放ってギョーザを食べます。

もうこの頃になると爆竹はうるさいだけなのでいい加減に勘弁して欲しいのですが、窓の外では容赦なく爆竹が鳴り響きます。

そしてラストは旧正月15日の小正月、中国は正月の終わりを告げる「元宵節」(ランタン祭)です。

窓の外はお約束の爆竹。うるさいのなんのって。日本の花火のように光だけなら良いのですが、こちらの爆竹は大音声を重視するので、嫌が上でも耳に入ってくるのです。

朝から夜まであちらこちらで爆竹鳴ってます。本当にうるさい。止めてくれ。

話は変わってギョーザ。大晦日の夜は中国(たぶん北部一帯)の風習に従ってギョーザです。今年は手を抜いて買って済ませました。ええ、今日本で熱い冷凍のギョーザです。もちろん中国製。おいしかったですよw

“破五”もギョーザ。そしてまた冷凍ギョーザ。中国で暮らす以上人が一人二人中毒になったぐらいで慌てる訳にはいきません。大陸というのはそういう世界なのです。

一方締めの元宵節はギョーザから解放され、「餡入り団子」になります。郷に入りては……ということで、ワタクシも食べました。えぇ、もちろんお約束の冷凍食品です。当日に生の団子を買うのは面倒なので、スーパーに行ったついでに冷凍物を買っちゃいました。

中国製冷凍ギョーザと言えば、例の毒ギョーザ事件。ニュースを見ている限りでは手打ち時が迫っている感じですね。五輪もありますが、日中外交の観点から言えばそれより大きなイベントである胡錦濤の訪日が今春予定ということなので、早いうちに適当なところで落としておきたいのでしょう。

政治レベルでは政治的理由で解決を急いでいますが、民間レベルでは今回の事件で日本における中国食品の信頼性に大きなダメージがあったのは言うまでもありませんが。この影響がいつまで持続するのかはわかりませんが、この問題が中国製品の安全性に対する問題提起で終わることなく、総括的な食料安全保障問題の意識啓蒙となることに期待したいです。

食の問題は安全保障に直結するのです。アメリカの軍事力による平和に長く浸っていて身勝手な平和意識を信奉する日本人。マスコミにもいい加減ガソリン税で騒ぐのもほどほどにして、農政について問題提起していただきたいものです。

毒ギョーザと言えば、中国では徳島県のニュースが大々的に曲解されて、毒は日本で混入されたことで決着しているみたいな雰囲気になっていますw

一方の日本側ですが、ちょっと気になったので一言。中国のネット世論を紹介する日本の記事で「日本人は毒に対する抵抗力が弱い。」という書き込みを取り上げていたものがありますが、これは日々毒の中で生活している中国人の現状を皮肉っていった言葉なので真に受ける必要はありません。

相互理解というのはかくも難しいものなんだなぁ、と、つくづく。