中検4級~2級筆記試験文法問題分析アップデート解説
中検4級から2級までの筆記文法問題分析に2011年度分を追加したので、どのような変化があったか級別で簡単にまとめてみます。なお、語順問題はサンプル数が少ないので今回も詳細な分析は行なっていません。2012年分を追加した時点で開始する予定です。
4級
まずは穴埋めから。基準の見直しもあって、最頻出パターンは量詞となりました。今回の更新で目についたのは名量詞の“双”。74回と75回で連続して出題されました。71回出題分を合わせると計3問となり、出題数で“条”と並んでいます。
次点は構文型と疑問文が同着の二位。構文型は74回で4問集中出題されています。
疑問文は時点を尋ねる疑問表現“什么时候”が74回と75回で連続して出題されました。70回出題分を合わせると計3問となります。
※詳細は「中検4級筆記試験文法穴埋め問題分析」にて。
並べ替えは2011年は夏季秋季の2回いずれも5問の出題となり、分析対象として追加されたものは10問にとどまります。出題傾向に大きな変化はありませんが、敢えて指摘するとすれば、出題頻度が最も高い補語の出題数に多少の減少傾向が見られるぐらいでしょうか。
基本文型の語順を問う問題は相変わらず出題数No.1ですが、74回は1問、75回はゼロで、3年間で初めて不出題となりました。補語も基本文型と同じく74回は1問、75回はゼロで、こちらも3年間で初めて不出題となっています。
この他目についたものは、動詞“去”が連動文の一翼を担うパターンが74回と75回で連続して出題されたところでしょうか。74回に出題された問題は68回とほぼ同じで、“旅行”が“学习”に置き換わっただけです。
また、構造助詞の“的”を問う問題が74回に出題され、過去8回で3回の出題となっています。
※詳細は「中検4級筆記試験文法並び替え問題分析」にて。
語順問題は2011年は夏季秋季を通じて出題され、分析対象として10問追加されましたが、それでもサンプル数はまだ十分ではないため、今回は詳細な分析を行なっていません。基本的には上位については大きな変動はないようで、補語が基本文型に並んで同列一位となっています。
3級
穴埋め問題は2011年度も引き続き構文型が大きな比重を占めています。74回は2問と少なかったのですが、75回は一転して7問出題され、過去3年間で最多の出題数を記録しています。
また、分析問題数が増えたため、前回の分析では少なかった複数回出題されたパターンが一気に増えています。“如果…就…”という最も典型的な構文パターンもその中の一つです。
“虽然”は3問出題されていますが、呼応する語は“但是”“还是”“可”とバラけています。
補語は75回で複合方向補語“起来”が出題されています。これで過去3年間で2度目の出題となります。重複は少ないですね。
量詞は74回で再び動量詞“顿”を問う問題が出題されています。文意はほぼ同じで、4つの選択肢も同一、意図的に出題しているのでしょうか。その真意を知りたいものです。
※詳細は「中検3級筆記試験文法穴埋め問題分析」にて。
並べ替え問題は4級と同じく分析対象として追加されたものは10問にとどまります。出題傾向に大きな変化はありませんが、敢えて指摘するとすれば、出題頻度が最も高い補語の出題数に多少の減少傾向が見られるぐらいでしょうか。
その補語ですが、74回で68回と同じ型の時量補語を問う問題が出題されている。山本さんが田中さんに変わっただけです。
兼語文は75回で再び使役動詞“请”を問う問題が出題されています。67回からカウントして出題率50%となる頻出パターンです。
構文型は74回と75回で連続して“什么…都(也)…”の型が出題されています。71回に出題されたものと合わせて8回中3回の出題となります。
※詳細は「中検3級筆記試験文法並び替え問題分析」にて。
語順問題は4級と同じく詳細な分析を行なっていません。上位については大きな変動はなく、補語を問う問題が圧倒的に多い傾向も継続しています。75回でこれまで問われることのなかった構文系が2問出題されたことが目に付く程度でしょうか。
2級
語順問題では2011年は75回に構文がからむ問題が集中出題されました。また、75回は構文型以外の上位頻出問題がまったく出題されず、未出やほとんど出題されなかった類型の問題が出題されたところが特徴的です。
※詳細は「中検2級筆記試験文法語順問題分析」にて。
おわりに
今回は2011年分の反映ということで、まだ1年分遅れています。2012年分は夏か秋に反映させる予定です。3級と4級の語順問題も次回から正式に分析を始めます。