WP vs MT

この度WPを正式に導入することにしました。XOOPS・MTからの乗り換えです。XOOPSが衰退しているのと、使わない機能が多くなって、WPで代替できる見込みがついたために、思い切って乗り換えることにしました。

サブ的に使っていたMTを昇格することも考えたのですが、時代はWPっぽいので、WPにした次第です。

WPは使い始めたばかりですが、とりあえず、何かと比較されるWPとMTについて、ワタクシの視点から2011年9月現在の両者を比較してみます。

ライセンス

WPはオープンソース、商用もフリー。一方のMTは機能制限のあるオープンソース版もありますが、基本は有償です。

もっとも、タダならば良いのか、という話ではなく、大企業なんかはサポートのないWPなんか対象外でしょう。わたしのような個人や自営業者なら無償で自由に使えるWPは助かりますが。

そこそこの規模の商用サイトならば、MTの方がいいんじゃないか、と思います。ライセンス料を保険料として考えれば高くないんじゃないですか。

動的生成と再構築

MTからWPへ乗り換えた理由としてよく耳にするのが動的生成。再構築しなくても変更が反映される、というやつです。MTでも動的生成は可能なのですが、一部のプラグインが使えなくなったりするなど、多少の不便もあります。

ただ、動的生成が再構築より優れているとは限らず、再構築で作る静的サイトの方が運用上の負荷は小さくなります。このため、アクセス数が多いサイトではMTの方が有利なのでは、と思います。

まぁ、フツーの個人サイトだったら動的生成でもたいした負荷にはなりませんから、動的生成の方が便利なのは確かですが。

もっとも、MTはシステムとサイト実体が分離しているので、バージョンアップや不具合の修正の間も、ユーザが見るサイトにはほとんど影響がないのは助かるんですけどね。

CMS性

MTやWPはもともとBLOG構築システムからスタートしたのですが、それぞれCMSへの道を歩みつつあるようです。特にMTは明確にそれを志向しており、すでに日本では商用CMSとしてはNo.1の地位を築いています。

両者を比較すると、この点においてはMTの方がずっと洗練されています。WPもバージョン3より複数のBLOGを運営できるようになっていますが、実感としてかなり粗削りです。今後バージョンを重ねていけば改善されていくとは思いますが……

テーマ・テンプレート

配布されているテーマ・テンプレートの数ならばWPの方が圧倒的。ただ、自分で作るならば、MTの方が自由度が高いような気がします。

WPはテンプレートタグとHTMLが分離しておらず、自由に改変するにはPHPの知識が必要になりますが、MTのタグはデータだけを出力してくれるので、HTMLとCSSがわかれば後は自由に改変できます。

このように、MTはプログラムがわからなくても結構作れてしまうのですが、WPはPHPがわからないとちょっと苦しい。わたしのようにHTMLやCSSはわかるがPHPはダメ、と言う人には、MTの方がラクです。

プラグイン

配布されているプラグインはWPの方が圧倒的に豊富です。世界的にユーザが多いので、英語さえ多少わかれば、簡単にさまざまな機能を付加できます。

MTにもプラグインがありますが、ユーザの裾野がWPほど広くないため、数的にはWPに大きく劣ります。ただ、MTは日本で広く使われているため、日本語のプラグイン情報は豊富です。

セキュリティ

これはプラグインの裏返しになるところも多いのですが、WPのプラグインはPHPで書かれているため、WP本体に問題がなくても、プラグインがセキュリティホールとなってしまう可能性があります。

MTにセキュリティの問題がない、というわけではありませんが、プラグインへの依存度が小さく、ユーザー数も圧倒的に少なく且つ日本に偏っているので、標的になりにくいという利点もあります。

結論

月並みな表現かもしれませんが、WPとMTの優劣はその用途次第、ということではないでしょうか。単なる個人BLOGで、テーマは配布されているものを使い、純粋にBLOGを楽しみたい、というような感じならば、WPで決まりでしょう。

まぁ、個人的には、それならFC2なりYahoo!なりのBLOGサービスを利用すればいいんじゃない……という気もしますがW

個人事業ならばWPかな。商用も無償ですし。もちろん、お金に余裕があればMTでもいいんですけど。

規模の大きい商用サイトならばやはりMTでしょうか。わたしが企業の担当者ならMTですね。サポートのないWPなんか使えませんよ。